ホルムズ海峡封鎖主張で緊張拡大、米イラン応酬が航行安全と市場に影響与え周辺国にも懸念広がる情勢

笠原 美琴
经过

海峡封鎖の発表で物流懸念が強まる局面に

イラン軍中央司令部は11日、ホルムズ海峡を封鎖すると発表した。通航しようとする船舶を攻撃する姿勢も示し、米国との軍事的対立は海上交通にも波及した。ホルムズ海峡はエネルギー輸送上の重要航路であり、封鎖の主張は国際的な警戒を招いた。

米中央軍は、商船がホルムズ海峡を通航しているとして、イラン側の封鎖発表を否定した。トランプ大統領も、米軍が先月、同海峡を通過するタンカーや商船を支援する秘密任務を実施したと主張した。大統領は、1億バレル以上の石油と200隻以上の商船が安全に通過したと説明し、海峡の支配はイランではなく米国にあると述べた。

米軍は商船通航の継続を改めて強調する姿勢

米中央軍は10日、イラン国内の複数標的に対する攻撃を実施した。米側は、イランによる不当かつ継続的な侵略への対応だと説明している。攻撃は2日連続で行われ、イラン南部の軍事施設や防空関連施設が対象になったと報じられた。

イラン側はこれに対し、バーレーンやクウェートにある米軍関連施設への報復攻撃を行ったと主張した。さらに革命防衛隊は、ホルムズ海峡を通航しようとした船舶2隻を攻撃したとも発表した。米側はイランの攻撃の大半を迎撃したとしており、米軍関係者の死傷者や深刻な施設被害は確認されていないと説明している。

タンカー攻撃でインド政府が抗議を表明する

海上の緊張は、オマーン湾でも表面化した。米中央軍は10日、パラオ船籍の石油タンカー「セッテベッロ」が繰り返し指示に従わなかったとして、航空機から機関室に向けて精密攻撃を行ったと発表した。米軍は8日にも、オマーン湾で石油タンカーへの攻撃を発表していた。

インド政府は、オマーン沖で商船「セッテベッロ」が攻撃を受け、インド人乗組員24人のうち3人が行方不明になっていると明らかにした。声明では、商船への攻撃を非難し、民間船舶や民間インフラへの攻撃停止を求めた。インドメディアは、政府が在インド米大使館の首席公使を召喚し、抗議したと伝えている。

国連と日本は停戦維持と抑制を要求する局面

国連のグテーレス事務総長は10日、中東情勢について、攻撃が拡大し状況が悪化していると述べた。紛争の全面的な再燃に強い懸念を示し、食料や燃料の価格上昇を通じて世界全体に影響が及んでいると指摘した。すべての当事者に対し、停戦を守るよう求めた。

日本政府も、米国とイランの攻撃の応酬を重大な関心を持って注視している。木原官房長官は11日、停戦が維持され、さらなるエスカレーションにつながらないことを強く望むと述べた。ホルムズ海峡には日本関係船舶を含む多数の船舶が滞留しており、自由で安全な航行の確保はエネルギーの安定供給の面でも急務だと強調した。

航行安全と合意形成の両立が焦点となる情勢

米国とイランの対立は、軍事施設への攻撃に加え、海上交通や商船の安全にも影響を広げている。トランプ大統領は、イランが合意署名を先延ばししていると批判し、追加攻撃の可能性を示した。米国防長官も、交渉条件を整えるために重要施設への攻撃を行う姿勢を示している。

一方、イランのペゼシュキアン大統領は、重要インフラを標的にするとの脅しは米側の行き詰まりを示すものだと反発した。イランは圧力や脅威に屈しないと表明している。今後は、ホルムズ海峡の航行安全を確保しながら、停戦維持と合意形成に向けた外交努力を継続できるかが問われる。

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