未成年保護強化へ年齢制限検討案提示
総務省は4月22日、未成年者のインターネット利用環境の改善を目的とした有識者会議を開催し、SNSの利用開始時に年齢制限の導入を検討する方針を示した。背景には、SNSを通じたいじめや犯罪被害の増加、依存問題の拡大がある。
同省は、事業者が提供するサービスの危険性を分析し、利用者に適した年齢基準を明示する仕組みの整備が必要と指摘した。こうした検討は、青少年を取り巻くネット環境の安全性向上を図るための取り組みの一環として位置付けられている。
事業者に依存性評価と情報公開求める
検討案では、各SNSの特徴に応じてリスクの程度を判断し、その結果を公表する仕組みの導入が求められた。依存を助長する機能の有無や、利用時間の管理機能などが評価対象となる。
また、利用者が未成年と確認された場合には、保護者が管理できる設定を基本機能として備えることも論点として示された。保護者による監督機能の普及が、青少年の利用環境改善につながるとの考えが示されている。
一律禁止に慎重な意見も議論で浮上
会議では、すべてのSNSに同一の利用禁止年齢を設けることについては慎重な意見も出された。サービスごとに機能や利用目的が異なり、危険性の程度も同じではないと指摘されたためである。
また、未成年が年齢を偽って利用するケースへの対応策として、本人確認の義務化の是非も議題に上った。年齢確認の仕組みが整備されなければ、制度の実効性が十分に確保できないとの認識が共有された。
海外の規制動向が検討の背景に浮上
海外ではSNS利用に関する規制の議論が進んでおり、これらの動きも今回の検討に影響を与えている。オーストラリアでは2025年12月に16歳未満の利用を禁止する法律が施行され、欧米でも同様の対策が検討されている。
こうした国際的な流れは、青少年の安全確保に向けた制度整備の必要性を示す事例として、国内議論の参考材料となっている。日本でも、同様の課題に対応するための制度見直しが求められている。
今夏報告書作成し年内方針決定へ
総務省は今夏までに検討内容を整理した報告書をまとめ、その後、こども家庭庁や関連機関と連携しながら制度整備を進める方針である。法改正の必要性についても具体的に検討される見通しとなっている。
文部科学省の調査では、2024年度の学校におけるいじめ認知件数のうち、インターネット関連は約2万7000件に達しており、こうした実態も制度検討を後押しする要因となっている。青少年の安全確保と健全な利用環境の整備が、今後の政策の焦点となる。
