女川原発機器不具合の経緯が明らかに
東北電力は2026年4月7日、女川原子力発電所2号機で発生した測定機器の異常について、調査結果を公表した。対象となったのは原子炉内部の状態を監視する水素濃度検出器であり、2025年5月と6月に相次いで異常値が確認された。
この装置は原子炉格納容器内の水素濃度を把握し、燃料の損傷などの兆候を早期に検知する目的で設置されている。福島第1原発事故後の新たな安全基準に基づき導入された重要な設備であり、その異常は安全確保の観点から重大な問題として扱われた。
測定不能となった原因の詳細が判明
調査の結果、検出器内部に用いられているパラジウム製の金属線に微細な亀裂が生じていたことが確認された。金属線の表面には被膜のはがれも見つかり、これが測定精度の低下につながったとされる。
金属線は温度の変化に応じて膨張と収縮を繰り返す性質を持つ。製造工程や性能確認試験において加熱と冷却が繰り返されたことで、表面に細かな損傷が発生し、最終的に測定機能へ影響したと説明された。
異常確認後の原子炉停止と機器交換
異常が確認された後、東北電力は安全確保を優先し、原子炉の運転を一時的に停止した。そのうえで不具合のある機器を取り外し、代替装置への交換作業を実施した。
2025年8月にはすべての検出器を新しいものへ取り替え、装置の正常動作を確認したとされる。現在、女川原発2号機は定期検査の段階にあり、引き続き設備の確認が進められている。
製造工程見直しなど再発防止策を提示
今回の調査結果を受け、東北電力は再発防止に向けた具体的な対策を示した。主な取り組みとして、金属線の被膜の品質を向上させることが挙げられている。
さらに、性能試験時の加熱と冷却の回数を削減し、温度変化による損傷の発生を抑える方法が採用される予定である。これにより、同様の問題が再び起こる可能性を低減させることを目指している。
今後の設備更新と安全確保への取り組み
東北電力は、再発防止策を反映した新たな検出器を今後設置する方針を示している。新しい装置には改善された製造条件が反映され、長期間にわたる安定した測定が期待されている。
原子力発電所では、監視機器の信頼性が安全運用の基盤となる。今回の事例を踏まえ、装置の品質管理や点検体制の強化が引き続き重要な課題となる。
