建設資材不足解消へ向けた砂漠資源活用技術の実用化計画

笠原 美琴
经过

世界初の砂漠砂建材技術を発表

ホンダは2026年3月31日、砂漠の砂を利用した新たな建設用材料を開発したと発表した。この技術はスタートアップ企業「パスアヘッド」によって実用化が進められており、建設分野への応用を目指している。

同社が開発した素材は、砂や砂利の代替として使う骨材としての利用を想定している。従来は建設材料として使用が難しいとされてきた砂漠の砂を活用する点が特徴である。

この材料は「ライジングサンド」と呼ばれ、従来材料に近い品質を備えた新たな選択肢として注目されている。

従来課題を克服した加工工程の特徴

砂漠の砂は粒が細かく、通常の建設用途には不適とされてきた。河川などから採取される砂や砂利と比べ、接着力や形状の面で課題があったためである。

今回の技術では、特殊な処理によって砂粒を結合し、一定の強度を持つ粒状材料へと変換する工程が採用されている。薬剤を用いた加工に加え、加熱や圧縮といった処理を組み合わせることで、実用的な品質を実現した。

さらに、既存資材と比較して耐久性が高く、製造コストも抑えられる可能性があるとされている。こうした特性は長期的なインフラ整備において重要な要素となる。

ケニア拠点設置と量産体制構築へ

同社は今後、実証試験を進めたうえで、ケニアに建設予定の自社工場で量産を開始する計画を掲げている。量産開始時期は2028年を予定している。

ケニアは広大な砂漠地域を有しており、原料確保の面で優位性があるとされる。現地での製造により、輸送コストの削減と供給の安定化が期待されている。

量産された材料は、主に道路舗装やコンクリートの原料として利用される見込みであり、地域の建設需要に応える役割を担う。

アフリカを起点とした市場拡大戦略

同社はアフリカでの事業確立を最初の目標としている。人口増加や都市化の進展に伴い、道路や都市基盤の整備需要が高まっているためである。

伊賀将之社長は、道路整備に関する課題はアフリカだけに限らないとの認識を示している。砂漠が存在する地域は世界各地に広がっており、同様の技術の需要が見込まれる。

アフリカでの事業が軌道に乗った後は、中東や中央アジアなどへの展開も検討対象としている。地域ごとの需要に対応した供給体制の整備が課題となる。

新技術が示す資源活用の新方向

今回の取り組みは、これまで利用されてこなかった資源の活用という点で新しい方向性を示している。砂漠の砂を建設材料に転用することで、従来の資源調達方法に変化をもたらす可能性がある。

建設資材の供給はインフラ整備に直結する重要な要素であり、原材料の多様化は安定供給に寄与する。新素材の普及が進めば、建設分野における材料調達の選択肢が拡大する。

今後は実証や市場投入の段階を通じて、性能や供給体制の検証が進められる。量産体制が確立すれば、新技術の実用性がより明確になる見通しである。

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