知財業界の課題解決へ新事業始動
島津製作所は、知的財産分野の業務負担軽減を目的とした新サービスの提供を開始する方針を示した。2026年4月1日に新会社「Genzo AI」を設立し、AIを活用した業務支援システムを企業などへ提供する。
知財部門では専門人材の不足や業務の複雑化が続いており、こうした状況への対応が求められている。新サービスは、日常業務の効率化とコスト抑制を目的とした取り組みとして位置付けられている。
発明資料の解析による出願候補提示
同システムでは、発明に関する資料をAIに読み込ませることで、出願に適した特許の種類を提案する機能を備える。さらに、既存の特許との関係を分析し、侵害の可能性を確認する作業も支援する。
これにより、専門知識が求められる工程の一部を自動化し、担当者の判断を補助する役割を担う。複数の言語に対応した翻訳機能も搭載されている。
情報管理機能と安全対策の整備
サービスには、機密情報の管理を重視した仕組みが導入されている。取り扱ったデータを一定期間後に削除できる設定を用意し、情報流出のリスク軽減を図る。
知財関連情報は高度な機密性を持つため、利用企業が安心して運用できる環境の整備が進められている。こうした安全対策は、導入拡大を進める上で重要な要素となる。
事業目標と市場への提供価格
新会社は、企業や大学、研究機関など幅広い利用者を対象としている。サービスの利用料金は年間100万〜1500万円程度を見込み、利用内容に応じて調整される。
同社は2030年度までに320社への導入を達成し、売上高15億円の実現を目標に掲げている。知財関連分野におけるデジタル化の需要拡大を背景に、事業の成長を目指す。
知財業務の標準化と将来展望
従来の知財業務は、経験豊富な担当者に依存する傾向が強かった。新たなAIサービスの普及により、業務手順の標準化や知識の共有が進むと期待されている。
島津製作所は、知財業務の効率化を通じて企業の研究開発活動を支援し、国内全体の知財活用力の向上に寄与する方針を示している。
