シャープ、ERP子会社化で業務改革支援を強化へ

笠原 美琴
经过

シナプス買収でDX戦略を加速

シャープは2026年3月23日、ITシステム企業シナプスイノベーションの全株式を取得し、同社を子会社としたと発表した。買収額は38億円で、生産や販売などの業務を統合管理するERP分野の強化を狙う。

同社は法人向け事業の説明会において、今回の買収を通じてDX(デジタルトランスフォーメーション)関連サービスの拡充を進める方針を示した。これにより、既存の製品とITシステムを組み合わせた新たなサービスの構築を図る。

企業の業務環境は人手不足やコスト増加などの課題が続いており、ITを活用した効率化の需要が高まっている。シャープはこうした変化を踏まえ、DX支援を成長分野として位置付けている。

ERP連携で業務データ統合を推進

シナプスイノベーションは1984年設立の企業で、製造や物流、販売などの業務を一元管理するERPシステムを中心に展開している。導入から運用までを一体で支援できるシステム構築力が特徴とされる。

今回の子会社化により、調達や受発注、会計、在庫管理など複数の業務データを連携し、一元管理する仕組みの提供が可能になる。これにより、企業のバックオフィス業務の効率化や情報の可視化を支援する。

さらに、複合機などのオフィス機器とERPを連動させることで、業務全体の流れをデータとして把握できる環境の整備を進める方針である。

小売や公共分野での活用拡大へ

シャープはオフィス分野だけでなく、小売や公共分野でもシステム連携を広げる計画を示している。POSシステムや決済端末とERPを接続し、販売や在庫などの情報を統合管理する仕組みを提供する。

このような連携により、店舗運営に関わる業務負担を軽減するとともに、蓄積されたデータを基にした経営判断の高度化を支援することが可能となる。

また、物流や製造の現場では設備の稼働状況や点検情報をシステムと結び付け、作業の自動化や効率向上を図る取り組みも進めるとしている。

ハードとIT融合で提案力強化

シャープはこれまで複合機や決済機器などのハードウェア事業を中心に展開してきた。今回の買収により、これらの製品にITサービスを組み合わせた提案を強化する考えである。

同社は「オフィス」「パブリック」「リテール」「ロジスティクス/ファクトリー」を重点分野とし、各現場の業務課題に応じたシステム提供を進める方針を掲げている。

ハードウェアとソフトウェアを統合したサービスを提供することで、顧客の業務全体に関与する体制の構築を目指す。

2026年度の新サービス投入目標

今回の子会社化を踏まえ、シャープは2026年度中の新サービス提供を目指すとしている。既存製品との連携によるワンストップ型サービスを構築し、競争力の強化を図る。

今後は両社の販売網や顧客基盤を活用した相互提案の拡大にも取り組む方針である。国内外での展開も視野に入れ、ITサービスの強化を通じてスマートビジネス領域での成長を目指すとしている。

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