下請企業への負担問題が表面化
建材大手YKKAPが取引先に金型の保管を無償で行わせていた問題で、公正取引委員会は2026年3月10日、下請法違反として同社に対し是正勧告を出した。
対象となったのは、窓や網戸などの部品製造に使用する金型の管理方法である。発注企業が管理責任を負うべき設備を委託先企業に無償で保管させていた点が、下請取引の公正性を損なう行為と判断された。
2024年から続いた金型保管の実態
調査によれば、YKKAPは2024年2月以降、外部企業に貸与した金型を回収せず、委託先に保管させていた。
対象は67社で、保管されていた金型の総数は4997個に達した。発注が長期間停止している金型も多く、使用されない設備が委託先の倉庫に残されたままの状態が続いていた。
こうした状況について、公取委は「発注企業が負担すべき費用を委託先に押し付けた」と判断した。
未払い費用は約3450万円
公取委の調査に対し、YKKAP側は「保管費用を支払う必要がある認識はあったが、委託先から請求がなかったため支払いに至らなかった」と説明した。
その後、同社は是正措置として保管費用を支払っており、総額は約3450万円に上った。
また、長期間使われていなかった金型については整理を進め、不要な設備の処分も実施した。
沖縄拠点でも同様の行為確認
今回の問題では、YKKAP本体に加え、沖縄県の関連会社でも同様の対応が確認された。
琉球YKKAP工業は6社に87個、YKKAP沖縄は1社に1個の金型を無償で保管させていた。
公取委はこれらの行為についても下請法違反と認定し、再発防止を求める勧告を出した。
社員教育など再発防止策を求める
勧告には、金型の管理体制の見直しや社員への研修の実施など、内部管理の強化が盛り込まれている。
YKKAPは「深くおわび申し上げる」としたうえで、今後はコンプライアンス体制を強化し、同様の事案が起きないよう取り組む方針を示した。
公取委は、発注企業が取引上の優位性を利用して中小企業に不利益を与える行為を防ぐため、下請取引の監視を続けていくとしている。
