MMRワクチン製造販売を了承 約30年ぶり再導入へ審議開始

井村 智規
经过

厚労省部会が承認方針を了承

厚生労働省の専門家部会は3月2日、第一三共が申請していた3種混合のMMRワクチン「ミムリット皮下注用」の製造販売を了承した。今後、厚生労働相が正式に承認すれば、国内で唯一使用可能なMMRワクチンとなる。国内で同ワクチンが再び使われるのは約30年ぶりとなる。

1回接種で3疾患を予防可能

了承されたワクチンは、はしか、おたふくかぜ、風疹を1度の接種で予防する生ワクチンである。主な対象は生後12か月以上の小児とされている。現在は麻しん・風しんの2種混合ワクチンが定期接種で、おたふくかぜは任意接種となっているが、3種混合が導入されれば接種回数の削減が見込まれる。

1993年中止の経緯を踏まえ判断

国内では1989年に別のMMRワクチンが定期接種として導入されたが、無菌性髄膜炎の発症が相次いだことから1993年に中止された。接種後に死亡した男児の遺族らが国を相手取り訴訟を起こし、一部で国の過失が認定された経緯もある。こうした背景を踏まえ、慎重な審議が行われた。

臨床試験と海外実績を評価

今回了承された「ミムリット」については、臨床試験で無菌性髄膜炎の副作用は確認されなかったと報告された。含有するおたふくかぜワクチンは海外で広く使用されており、100以上の国や地域で他社製MMRワクチンが承認されている。部会は総合的に評価し、リスクは許容範囲と結論付けた。

定期接種への組み入れを今後審議

正式承認後は、定期接種に加えるかどうかが検討課題となる。妊婦や免疫機能に異常がある人は接種対象外となる見込みである。制度面の整理と安全性の確保を前提に、導入の是非が議論されることになる。

この記事をシェア