内閣府報告の全体像
内閣府は2月17日、「世界経済の潮流」を公表し、米国の関税政策が景気に及ぼす影響を検証した。高関税の導入にもかかわらず、景気拡大は継続しているとの評価を示した。物価や消費への打撃は想定より軽度だったとまとめている。
インフレ加速局面は回避された
関税引き上げ時にはインフレ圧力の高まりが懸念された。しかし、中間投入コストは上昇したものの、消費者物価の伸びは限定的だった。企業が価格転嫁を抑制したことが、インフレ拡大の抑止につながった。
業種別収益の明暗
企業収益の動向を見ると、卸売業の落ち込みが際立つ。2025年7〜9月期の収益指数は70.2と大幅に低下した。一方、製造業は100.1、小売業は98.4と横ばい圏を維持した。コスト負担の集中が業種間で差を生んだ。
AI分野の投資拡大
人工知能関連への設備投資は拡大傾向にある。半導体や情報通信分野への資金流入が経済活動を押し上げた。台湾やメキシコではAI関連製品の対米輸出が増加し、関税の下押し圧力を緩和した。
各国経済への影響が広がる
自動車産業が主力のドイツや、対米依存度の高いカナダでは輸出減少が確認された。中国では個人消費の弱さが続き、成長は緩やかな鈍化局面にある。米国では高所得層の消費は堅調だが、低所得層では購買意欲の低下がみられると分析した。
