地上依存からの転換点
NTTドコモは、人工衛星とスマートフォンを直接つなぐ新たな通信方式を導入する。これまで携帯通信は地上基地局への依存が前提だったが、衛星を介することで、地理条件に左右されにくい通信環境を構築する狙いだ。サービス開始は2026年度初頭、または4月以降とされている。
対応機器と機能の範囲
今回の仕組みは、4G(LTE)に対応した一般的なスマートフォンで利用可能とされている。通話機能には対応しないものの、メッセージの送受信やアプリを通じた通信が可能になる。利用料金や対応端末については、サービス開始に向けて順次公表される予定だ。
通信カバー率の課題
日本国内の携帯通信網は人口ベースで高いカバー率を誇る一方、山岳地帯や離島では電波が届かない地域が存在する。こうしたエリアでは、日常利用だけでなく、災害発生時の情報伝達が課題となってきた。衛星通信は、この構造的な課題を補完する役割を果たす。
他社動向と技術競争
KDDIはすでに衛星を活用したスマートフォン通信を開始しており、ドコモはこれに続く形となる。ソフトバンクや楽天モバイルも同様のサービスを計画しており、携帯各社の競争は地上ネットワークから宇宙領域へと広がっている。各社は異なる技術や提携先を模索している。
インフラ整備の新たな段階
衛星と直接つながる通信は、従来の携帯網を置き換えるものではなく、補完的な存在として位置付けられている。圏外の解消や非常時対応という限定的な用途から始まり、将来的には活用範囲が広がる可能性がある。通信インフラは多層化の段階に入りつつある。
