生保各社に連鎖する情報持ち出し問題の業界的背景

長峰 詩花
经过

生命保険業界で相次ぐ不適切行為

住友生命保険は、出向先の代理店から他社の商品情報などが無断で持ち出されていたと発表した。件数は780件に達し、複数年にわたる事案であることが判明している。同様の問題は他の大手生命保険会社でも確認されている。

日本生命、明治安田生命、第一生命でも類似事例が明らかになり、特定企業にとどまらない構造的な課題が浮かび上がった。

調査で明らかになった期間と人数

住友生命の調査によると、不適切な情報取得が確認されたのは2022年4月から2025年5月または10月までの期間だった。関与したのは13人で、出向先は8代理店に及んでいる。

出向者は、代理店の許可を得ずに資料を撮影し、社内で共有していた。取得された情報は、営業活動に利用されていたとされる。

組織的関与を否定する会社説明

同社は、管理職が組織的に情報持ち出しを指示した事実はないと説明している。また、代理店側から営業秘密に該当するとの指摘がなかった点も強調した。

一方で、本社部門が情報収集を求めていた経緯は認めており、出向者への教育や指導が不十分だったとしている。

再発防止策と社内処分の検討

住友生命は、関係者に対する謝罪コメントを公表した。再発防止策として、私用スマートフォンを使った業務連絡を禁止する措置を講じている。

また、出向者を3月末までに全員引き揚げる方針を示し、関与した社員や管理職の処分についても今後検討するとしている。

業界全体に突き付けられた制度見直し

複数社で同様の問題が確認されたことで、生命保険業界の出向慣行や情報管理の在り方が改めて問われている。各社が個別に対応するだけでなく、業界横断的な検証の必要性も指摘されている。

出向制度と代理店ビジネスの関係性をどう整理するかが、今後の重要な論点となる。

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