国際情勢と米金融人事が左右する金価格の大幅変動

長峰 詩花
经过

金価格の急騰と急落が相次いだ局面

国内の金価格は2026年1月下旬以降、短期間で大きな上下動を繰り返した。田中貴金属工業の店頭小売価格は1月29日に1グラム3万248円と過去最高値を付けたが、2月2日には2万5287円まで下落した。その後、4日夕方には2万8305円まで回復している。数日のうちに1割を超える値動きが生じたことになる。

国際市場で高まった地政学リスク

国際指標となるニューヨーク金先物価格は、イランを巡る緊張の高まりを背景に史上最高値を更新した。中東情勢の不透明感が強まる中、安全資産とされる金への需要が急速に拡大したことが価格上昇を後押しした。海外市場での動きは、国内価格にも直接的な影響を与えた。

FRB人事をきっかけとした市場の反転

その後、米FRBの次期議長として元理事のケビン・ウォーシュ氏が指名されると、市場の流れは一転した。金融緩和に慎重と受け止められたことでドル高が進み、金先物価格は急落した。この変化は国内市場にも波及し、金の小売価格と先物価格の双方が下押しされた。

国内先物市場で広がった買い戻し

大阪取引所の金先物市場では、2日の急落後、3日に買い戻しの動きが強まった。中心限月である12月ものの終値は1グラム2万5040円となり、前日比で2439円上昇した。上昇率は10%を超え、朝方には売買が集中したため、取引を一時中断する措置が取られた。

投機的取引が示す市場の不安定性

市場関係者の間では、価格の乱高下の背景として投機的な取引の影響が指摘されている。地政学リスクや金融政策を巡る材料に対し、短期的な売買が集中したことで値動きが拡大した。金市場は、外部要因に対する感応度の高さを改めて示す局面となった。

この記事をシェア