宇宙輸送能力を巡る課題浮上
日本の宇宙開発では、主力ロケットの打ち上げが相次いで停止し、輸送体制の維持が大きな課題となっている。こうした中、JAXAは小型ロケット「イプシロンS」の開発計画を見直す決定を正式に示した。
イプシロンSで相次いだ試験トラブル
イプシロンSは、2段目エンジンの性能向上を目指して開発が進められてきた。しかし、秋田県や鹿児島県で行われた燃焼試験では爆発が続き、原因の特定が難航していた。このため、計画全体の遅延が避けられない状況となっていた。
従来型エンジン採用への転換
JAXAは、性能向上型エンジンの開発を一時的に先送りし、すでに運用を終えた従来型イプシロンの2段目エンジンを再製造して使用する方針を決めた。この変更により、当初目標としていた打ち上げ能力は低下するが、早期の実績確保を優先する。
2026年度内打ち上げを目指す工程
計画では、2026年度の早い時期に種子島宇宙センターで燃焼試験を実施し、その後の打ち上げにつなげる。小型衛星への対応を着実に行うことで、国内の宇宙輸送機会を確保する狙いがある。
大型ロケット停滞下での現実的判断
H3ロケットが打ち上げ停止中の状況を踏まえると、イプシロンSの早期復帰は戦略的な意味を持つ。信頼性を重視した段階的な再開が、日本の宇宙開発を支える当面の柱となる。
