資産運用収益が主軸に、大手証券5社の構造変化鮮明

長峰 詩花
经过

業界全体で確認された収益成長

大手対面証券5社の2025年4~12月期決算では、合計純利益が前年同期を大きく上回った。株式市場の上昇局面と企業活動の活発化が重なり、業界全体で増収増益の流れが明確となった。単発的な取引増ではなく、複数分野にわたる収益拡大が特徴といえる。

個人マネー流入が業績を下支え

個人投資家や富裕層からの資金流入が、各社の基盤収益を押し上げた。投資信託や一任運用型商品の残高が増え、預かり資産に応じた手数料収入が拡大した。新規預入資産が大きく積み上がった証券会社もあり、資産管理分野の存在感が一段と高まっている。

企業活動活発化による法人収益増

法人部門では、M&A助言や株式・債券の引受業務が活発化し、投資銀行関連の収益が伸長した。日本企業が関わるM&Aは、規模と件数の双方で高水準となり、各社の業績を下支えしている。国内外にまたがる案件の積み上がりが、個人向けとは性質の異なる収益源を確立させた。

収益構造転換を示す数値

預かり資産に連動する収益の比率は、多くの証券会社で売買手数料収入を上回る水準に近づいた。これにより、相場変動に左右されやすい収益構造からの脱却が進んでいる。複数社では、純営業収益が比較可能な範囲で過去最高を更新した。

市場変動リスクと今後の焦点

株高局面が続く一方、債券市場では利回り急変に伴うリスクが残る。トレーディング業務では損失発生の可能性も意識されており、慎重な対応が求められている。安定収益の確立とリスク管理の両立が、今後の業界の焦点となる。

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