トランプ政権、欧州デジタル規制関係者に制裁措置

長峰 詩花
经过

米政府が欧州関係者への措置を発表

米国務省は2025年12月23日、欧州連合(EU)のデジタル規制に関与したとして、ティエリ・ブルトン前欧州委員ら欧州の関係者5人に対し、ビザ発給を制限する措置を科したと明らかにした。対象者は、米国のIT企業に対して政治的言論の取り締まりを求めたと米側が判断した人物とされている。今回の対応は、欧州の規制が米国内の言論環境に影響を及ぼしているとの認識に基づくものと説明された。

言論規制への懸念を米側が強調

マルコ・ルビオ国務長官は、欧州の一部関係者が長年にわたり、米国企業に対して特定の見解を排除するよう圧力をかけてきたと指摘した。国外からの規制が米国の表現の自由に及ぶことは容認できないとし、方針を改めない場合は制裁対象を拡大する可能性にも言及した。米政府は、今回の措置を検閲への対抗と位置づけている。

デジタルサービス法を巡る対立

問題の背景には、EUが導入したデジタルサービス法(DSA)がある。同法は偽情報やヘイトスピーチ対策を目的とし、巨大IT企業に透明性確保などを義務付けている。EUは今月、同法違反を理由にXに対して1億2000万ユーロの制裁金を科しており、これが米国側の反発を招いた形となった。

欧州側団体の反応と反論

制裁対象となった団体の一部は、今回の措置を政府による威圧行為と位置づけ、言論の自由に対する重大な侵害だと主張した。ブルトン氏自身も、EUの法制度は民主的な手続きを経て成立しており、検閲を目的としたものではないと説明している。欧州側は、規制の狙いは透明性の確保にあると繰り返し強調している。

米欧関係に残る緊張の火種

言論とテクノロジー規制を巡る米欧の見解の違いは、これまでも断続的に表面化してきた。今回の制裁は、デジタル空間を巡る価値観の相違が外交問題へ発展する可能性を示している。今後、規制の在り方を巡る協議が進むか、それとも対立が深まるかが注目されている。

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